多摩川を隔てた因縁の対決、”多摩川クラシコ”が今季早くも幕を開ける。
ホームの川崎フロンターレは、黄金期を経てなお進化を続ける名門。一方、アウェイのFC東京は、昨季アウェイでのクラシコを制した勝負強さを持つ。
両チームとも開幕から負けなし。しかし、その内実は「内容への危機感」と「PK決着による課題」を抱えたままだ。今節の結果は、単なる勝点以上の意味を持つ。シーズン序盤の勢いを決定づけるエモーショナルな熱狂が、等々力の地で火花を散らす。
2. クラブ基本データ
川崎フロンターレ
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所属: 明治安田J1リーグ(EAST)
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ホームスタジアム: Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
FC東京
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所属: 明治安田J1リーグ(EAST)
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ホームスタジアム: 味の素スタジアム
3. 今シーズンの流れ
川崎フロンターレ
2026年百年構想リーグのレギュレーションにより、引き分けがなく必ずPK戦での決着となる中、前節・千葉戦では苦しみながらもPK戦で勝利し勝点2を手にした。いかにシュートを打たせないかというのに注目したい。
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前節の結果: vs ジェフユナイテッド千葉(0-0、PK:勝ち)
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監督の狙い: 山本悠樹が語る通り、保持するだけでなくゴール前でのシーンを増やすこと、そしてコンパクトな守備の再構築を目指している。
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注目選手: エリソン(開幕戦ハットトリック)、大関友翔(若き司令塔)
FC東京
開幕2試合ともにPK戦での勝利。粘り強さは見せているが、90分以内での得点力と勝ち切り方に課題を残す。
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前節の結果: vs 浦和レッズ(1-1、PK:勝ち)
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監督の狙い: 0-1から追いついた粘りを継続しつつ、数的有利を活かし切る攻撃の精度向上を掲げる。
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注目選手: 佐藤龍之介(圧倒的なアジリティと技術)、仲川輝人(経験豊富なエース)
4. 対戦成績アーカイブ
直近の「多摩川クラシコ」5試合の結果は以下の通り。
| 開催日 | 大会名 | ホーム | スコア | アウェイ |
| 2025/09/20 | J1 第30節 | 川崎F | 0 – 1 | FC東京 |
| 2025/03/29 | J1 第7節 | FC東京 | 0 – 3 | 川崎F |
| 2024/08/11 | J1 第26節 | FC東京 | 0 – 3 | 川崎F |
| 2024/03/30 | J1 第5節 | 川崎F | 3 – 0 | FC東京 |
| 2023/09/15 | J1 第27節 | 川崎F | 1 – 0 | FC東京 |
対戦トピック:
通算成績は川崎Fの25勝9分12敗と大きく勝ち越している。しかし昨季は1勝1敗。特筆すべきは、お互いにアウェイで勝利している点であり、今回ホームの川崎Fとしては等々力での連敗阻止が至上命令となる。
5. 試合の見どころ・注目ポイント
① データ上の注目点:ホームの牙城と「PK戦」の行方
川崎Fは伝統的にホームで強いが、昨季のクラシコでは敗戦。今季の独自ルール(必ず決着)を踏まえると、昨季からのPK戦の強さも鍵となる。開幕2試合をPKで制しているFC東京の粘り強さを、川崎Fが90分で打ち砕けるかが焦点。
② 戦術的鍵:コンパクトネスの回復
山本悠樹が危惧する「守備の広がり」を修正できるか。前節の千葉戦では主導権を握られたが、多摩川クラシコ特有のハイテンションな試合で、川崎Fが本来の「目をそろえた」連動性を取り戻せるかが戦術的なポイントとなる。
③ 個の対決:U-23アジア杯制覇の立役者たち
共に1月のU-23アジア杯を制した大関友翔(川崎F)・佐藤龍之介(FC東京)に注目。大関の「空間を射抜く浮き球のパス」に対し、佐藤の「切れ味鋭いドリブル」がどう対抗するか。パリ五輪世代の競演が試合を動かす。
6. 個人的な勝敗予想
予想スコア:川崎フロンターレ 2 – 1 FC東京
展開予想:
序盤はFC東京が佐藤龍之介のアジリティを活かして押し込む展開が予想されるが、中盤で山本悠樹がバランスを整え、徐々に川崎Fが保持率を高めるだろう。決め手となるのは大関友翔のパス。
後半、彼の放つ魔法のような浮き球パスに、開幕絶好調のエリソンが合わせ、均衡を破ると予想。FC東京も終盤にセットプレーから1点を返すが、等々力の声援を背にした川崎Fがリードを守り抜き、昨季のホームでの雪辱を果たす。90分での決着により、川崎Fが待望の勝点3を積み上げるシナリオだ。